小児医療システムの擁護と支援
「子どもが最初、いつだって」
“Championing Children’s Care”
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会長挨拶
第57回 日本小児外科学会学術集会 開催のご挨拶
第57回 日本小児外科学会学術集会
会長山髙 篤行
順天堂大学医学部小児外科学講座 教授
このたび、第57回日本小児外科学会学術集会会長を拝命し、オリンピック・パラリンピックイヤーである2020年の5月21日(木)~ 23日(土)に、都市センターホテル(東京都千代田区)で学術集会を開催させていただくこととなりました。戦後の復興をかけた東京オリンピック・パラリンピックが開かれたのは、今から55年前に遡る1964年であります。奇しくも同じ年に、第1回の学術集会が東京にて開催されました。
順天堂大学はこれまでにも第2回学術集会(会長:福田 保)、第12回学術集会(会長:駿河 敬次郎)と第39回学術集会(会長 :宮野 武)を担当させていただき、今回18年ぶりの担当となります。このような機会を四たび与えていただきましたことは順天堂大学ならびに順天堂大学小児外科学講座・同門会にとりまして大変名誉なことであり、日本小児外科学会会員の皆様方に厚く御礼申し上げます。
半世紀以上前から、順天堂大学は小児外科医療に本格的に取組み、1968年に我が国で初めて小児外科学講座を設置し、2019年10月には118床(GCU, NICU含)を誇る小児センターを始動させるなど、小児医療に対し数多の支援を行って参りました。これは、正に順天堂の精神「仁」の実践に他なりません。
今回の学術集会の主題は「小児医療システムの擁護と支援:子どもが最初、いつだって」とさせていただきました。副題は、「外科医の原点は症例報告にあり」とさせていただき、若手にとって魅力ある学術集会になるよう、困難症例・希少症例を、皆様と欧米の著名な小児外科医と共に、十分に時間をかけて検討するセッションを持ちたいと考えております。また、38年連続の小児人口減少(東京都・沖縄県を除く45道府県で減少:2018年10月現在)、小児外科専門医不在地域があるなどの現実を直視し、海外からの招待講演者に、欧米諸国の小児外科医不在地域における小児外科疾患の治療システム・問題点に関してご講演いただく予定です。
特別講演では、順天堂大学理事であり箱根駅伝強化担当の宮野武名誉教授に「古希からの晩年を箱根駅伝にかけて――」を、大学選手権9連覇を果たされた帝京大学ラグビー部監督岩出雅之教授には「組織作りとリーダーシップ:楕円のボールがくれた出逢いから」をテーマにお話しいただく予定です。
厚生労働省 医政局総務課 保険医療技術調整官でいらっしゃる堀岡伸彦先生(順天堂大学医学部卒業)からは「働き方改革のゆくえ ~三位一体改革について~」のご講演をいただきます。また、3人の海外招待講演者からも欧米における働き方改革の波を受けるなか、どのように小児外科医を育成しているのかに関してのお話をいただく予定です。
小林弘幸教授(順天堂大学医学部病院管理学)からは医療安全講習会講演「医療訴訟から学ぶ小児外科の課題」を、中村哲也教授(順天堂大学医学研究科オルガノイド開発研究講座)からは教育講演「オルガノイド、小児外科分野における可能性」をご講演いただきます。
東京もその開催に備えた2019年のラグビーワールドカップは、日本を熱狂の渦に巻き込みました。東京では、さらに2020年のオリンピック・パラリンピック開催に備え、着々と整備が進んでおり、大きな変貌を遂げつつあります。会期2日目は午後早めに会員懇親会を開催し、その後、皆様が浅草・東京スカイツリー・原宿・表参道などの東京見物をお楽しみいただいたり、また夜は赤坂・渋谷・六本木などでナイトライフを楽しんでいただきたいと考えております。
本学術集会の開催にあたり、学会理事会の全面的なご協力を賜り深く感謝いたします。今回もまた「楽しかった、勉強になった」と皆様におっしゃっていただけるような学術集会の開催を目指してまいります。同門会ならびに順天堂大学のご支援のもと、教室員が一丸となって鋭意準備し、不断前進、この重責を果たす所存です。
オリンピック・パラリンピックを目前に控えた活気溢れる東京で、皆様にお目にかかれますことを楽しみにしております。